MADE IN JAPAN 内田鋼一コレクション MADE IN JAPAN 内田鋼一コレクション
コレクションは、木工品アリ、焼物アリで素材も時代もバラバラ、道端に落ちていても誰も気づかないような大安物の古い道具類。目を凝らしてみると、そこには、古さや、技術の完成度を誇ったり、希少性を売り物にするものは何一つない。この無言の集合体は、私の心の奥底にグサリと突き刺さり、激しく揺さぶった。私達が依ってきた、西洋近代の人達が考案し世界中に拡がった美術評価の基準である作家の自己表現の強さや、作品の骨格の有無、自立性なんてものはここでは完全に無視されている。権威的な美術館や美術評論家の人達が従来振りかざしてきた既成の価値基準に対する、これはもう見事な、そして明確な異議申し立てといってよいだろう。
一見、この種のものを選び提示するのは簡単なことだと思われがちだが、苦い痛いことも含む豊かな経験、権威や型に依らない自由な感覚、そして何よりも、ゆるぎない覚悟がないとこれは難しい。
利休は中国物一辺倒の時代、命をかけて侘び茶の方へ振り、柳宗悦は鑑賞陶器の全盛時代に日常工芸品の美の方へと揺さぶった。何ともないもののなかから、何ともある心打つものを掬い上げる、このことこそが日本の美意識の根幹をなす大切な芯。内田コレクションはこれと深く重なり、また次の世代への展開を指し示しているといえるだろう。



古道具坂田 坂田和實
展示風景
as it is 個人コレクション展6

MADE IN JAPAN
内田鋼一コレクション


2011年4月8日(金)より
2011年10月2日(日)迄


※前半、後半で展示替えをします。
前半 4月8日(金)→6月19日(日)
後半 6月24日(金)→10月2日(日)
前半は白いもの、後半は黒いものを中心にして。
10月2日まで延長致します。

museum as it is

297-0154
千葉県長生郡長南町岩撫41
tel.&fax. 0475-46-2108
開館日/金・土・日・祝日
開館時間/10:30→16:00
入館料/800円
東京連絡所/tel. 03-3953-6312

内田鋼一(うちだこういち)

1969年 愛知県名古屋市に生まれる。
1990年 愛知県立瀬戸窯業高校陶芸専攻科修了。
三重県四日市市の製陶所にて轆轤の賃挽き職人として働く。
以後、海外の窯業地に滞在。
(ヨーロッパ・アジア・西アフリカ・南米など)
2000年 「うつわをみる 暮らしに息づく工芸」展
(東京国立近代美術館工芸館)
2003年 「UCHIDA KOUICHI」展
(Paramita Museum、三重)
作品集「UCHIDA KOUICHI」を求龍堂より刊行。
2004年 静謐なかたち
「内田鋼一 Uchida Kouichi」works: 2003-2004
(4th MUSEUM RIVER RETREAT 雅楽倶、富山)
2006年 「陶芸の現在、そして未来へ Ceramic Now+」
(兵庫陶芸美術館)
「SOFA」(ニューヨーク)
「JAPANESE CRAFTS」(ギャラリーベッソン、ロンドン)
2008年 新進陶芸家による「東海現代陶芸の今」展
(愛知県陶芸資料館)
「melbourne artfair」(メルボルン)
Rosso: Uchida Kouichi(Daniela Gregis、ベルガモ)
「aim(art in miho)'08・土から生える」展
(多治見市、土岐市、瑞浪市/岐阜県)
2009年 第43回「明治村茶会」日本庭園、
野点席主担当(愛知県犬山市明治村)

他、スペイン・イギリス・イタリア・オーストラリア・
西アフリカ・ベトナム・タイ・韓国・中国・
台湾・インド・アメリカ・南米などで制作及び発表。